トピックス・オートモーティブ

KGCには様々なHILS(Hardware-In-the-Loop Simulation)システムを構築してきた実績があります。自動車の開発過程で、エンジンやモーターをシミュレートして「走行性能」に関わる開発・テスト・チューニングを行なうことは想像しやすいですね。ですが、自動車の「性能」は走行性能だけではありません。
「安全性能」についても、HILSソリューションをお役立てください!
自動車は、滑る
自動車は、走る、曲がる、停まる、の基本的な動きだけではなく、予想外の動きをする場合があります。凍っていたり、泥でぬかるんでいたりする路面でブレーキをかけると、自動車は滑りだします。
さあ大変。
Electronic Stability Control (またはElectronic Skid Control)
タイヤがロックした状態から復帰するためには、人間の運転者であれば「ポンピングブレーキ」でタイヤの摩擦力を回復し、自動車のコントロールを取り戻します。絶妙な感じでブレーキペダルを緩めたり、踏んだりを繰り返す技法ですね。
しかし、自動車が回りだす状況下で誰もがポンピングブレーキを繰り出せるかというと、そんな人ばかりではありません。そこで登場するのが、自動車自身が挙動を安定化させるためにブレーキ制御を行なう「エレクトリック・スタビリティ・コントロール(=ESC)」システムです。
自動車には、ESCを司るECU(ESC ECU)が組み込まれており、車輪の回転状況等のデータを受け取って、自動車が今どのような挙動をしているかをモニタしています。データの内容から安定走行していないと判断した場合は、ブレーキのシリンダに制御信号を送って、なんとか立て直そうとするわけです。

ですが、そのESC ECUも、自動車の各パートのご多分に漏れず、開発・テスト上の問題を抱えています。
実際に走れる程度に完成した自動車ができあがってこないと、開発もテストもできないのです。
ESC HILSは「路面走行状況」をシミュレートする
ESC ECUの開発・テスト時には、ECU HILSがお役に立ちます。では、ESC HILSは何をシミュレートするのでしょうか。
ESC HILSがシミュレートするのは、「路面走行状況」です。
たとえば、凍った地面を走っているかのようなセンサのデータをESC HILSが捏造し、ECUに流し込みます。すると、ECUは凍った地面を走っていると「錯覚」して、ブレーキシリンダを動かします。しかし、そのシリンダの作動結果が作用するのは、現実の車輪ではなくESC HILSの中の「仮想車輪」なのです。ESC HILSはシリンダが作用した結果を路面状況等にあわせて計算し、再度ECUにフィードバックします。

こうして、ESC HILSがシミュレートした仮想の道路の上で、ECUは自身が搭載されている自動車の安定性を維持すべく奮闘することになります。
安全性能を、安全にレベルアップしましょう
実物の車両を冬山の凍結路やスコールの降り注ぐデコボコ道まで運び、ECUの挙動を確認するのはとても大変で危険です。が、ESC HILSであればいつでも、何度でも試験が可能です。
また、ECUのソフトウェアの試験もさることながら、ハードウェアとしてのECUの環境試験を行なう場合にも活用できます。ECUを恒温槽に入れて気温を調節しつつ、様々な季節の路面をシミュレートしてテスト、といった事例もあります。
KGCが提供するESC HILSは、MATLAB/Simulinkモデルを取り込んでより高度かつ高速なシミュレーションが可能で、他社システムとの接続性も高くこれまでの資産をご活用いだたけます。
さらに一段上の安全性能を、ESC HILSで確保しましょう!
ご相談お待ちしております!
すでにESC HILSをご利用で、さらに高性能で使いやすいシステムをご検討のお客様。また、こんなテストをしたいけれど、実現性に不安があるお客様。どうぞKGCにご相談ください。
まずは、お電話、メール、web会議などでお話しさせていただければ、とても嬉しく思います。
お問い合わせフォームやデジタルコンタクトサービスをご利用いただき、お気軽にお申し付けください。
ご連絡お待ちしております!