トピックス・環境計測

2020年5月、新型コロナ禍はまだ継続中です。その一方でやや強めの地震が各地で観測されていて、この時期に大きな地震でもあったらと、どうしても心配になってしまいますね。
そんな不安も、その正体を正しく理解すれば多少なりともおさまるかもしれません。今回は、LB 2010の専用ソフトで地震の揺れを可視化して、どんな振動が起こっているのかを見てみましょう。
地震は震源から時間をかけて伝わる
地震というものが、地球のどこか、衝撃が発生した場所(「震源」)から、地面を伝わってくる「振動」であることは皆様よくご存知かと思います。地面を伝わる振動なので、震源が遠いほど時間がたってから揺れ始めますし、震源が遠いほど揺れが小さくなる傾向があります。
この性質を利用して、「震源の位置」と「地震の規模」が割り出されています。
地震波の「遅さ」を利用する緊急地震速報
日本全国にくまなく設置されている、24時間365日休みなく地面の振動を観測し続ける地震観測点。地震が起きたときには、たくさんの観測点で得られたデータ——揺れ始めた時刻や振動の強さなど——が気象庁に集まってきます。観測点の場所ごとに、少しずつ異なっている時刻、少しずつ異なっている強さのデータを集めて、集めて、集めたうえで集計してみると…最終的に、震源の位置と規模を求めることができます。
これを瞬時に行なっているのが、日本が誇る緊急地震速報システムです。振動が地面を伝わる速度は1秒間に3〜7km。その「遅さ」を利用して、一部の観測点で揺れを観測した時点でおおよその震源の位置と規模を算出し、振動が伝わる前に揺れが予想される地域へ警報を送信! そして、スマホから警告音が響き渡ることになります。

ちなみに、緊急地震速報には、KGCの地震観測用ロガー「HKS-9300」が配備された高感度地震観測網「Hi-net」(国立研究開発法人 防災科学技術研究所様)のデータも利用されています! お役に立てていますか?
LB 2010でP波S波を「見える化」
2020年5月6日1:57に発生した、最大震度4の地震の波形を見てみます。震源地は千葉県北西部で、地震規模を示すマグニチュードは5.0でした。つくば研究学園都市で観測された、実際の波形です。
中学校の理科で習った「P波」と「S波」。地面を伝わる振動の成分には、「速くて弱い波=P波」と「遅くて強い波=S波」が含まれている、というお話でしたね。先触れのように建物を「みしっ」といわせるP波、それを追うS波も、グラフにしてみるとはっきり見えてきます。
緊急地震速報やP波による「みしっ」で地震を素早く察知して、冷静に「命を守る行動」を開始できると良いですね。
専用ソフトはもう少しでご提供可能な状態になります。準陽ができ次第、製品ページやトピック記事でお知らせいたしますので、もう少々お待ち願います!

【追記】専用ソフトをご紹介する動画ができました!
振動をとらえて現象を可視化しましょう!
様々な「モノ」の振動を多角的に捉えることが可能なLB 2010。現実にそこで起きている事象の本質を可視化するお役に立ちます!
活用方法等、お気軽にご相談ください。ご連絡お待ちしております!
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