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2020/07/06 HILS世界の中心でステアリングを回すEPS
HILS世界の中心でステアリングを回すEPS

HILS(Hardware-In-the-Loop Simulation)スペシャリティであるところのKGCが手がけてきたHILSシステムをご紹介するシリーズ、今回は「EPS HILS」を取り上げます。自動車の操縦の快適さや安定性を左右するEPSも、HILSで効率良く開発しましょう。

……ところで「EPS」って何の略?

Electric Power Steering = パワステ

現代の自動車では当たり前に装備されている「パワーステアリング」、いわゆる「パワステ」は、自動車とドライバーの間にそっと入り込みます。ドライバーがステアリングを回す力をこっそり補助して軽減させ、また、車輪から伝わる衝撃をぐっと吸収して操舵を安定させる。まるで黒子のようなシステムです。

この黒子の働きいかんで、ドライバーが感じる運転の快適さや安定感の印象が大きく違ってくるのですから、裏方にして責任重大。

パワステ=Electric Power Steering、略してEPSと呼称します。

ECUが担うEPS制御

ドライバーが道路のカーブに対応するためにステアリングを回した際、自動車の速度や道路の状態などによって、前輪の向きを変えるために必要な力が変わってきます。逆の言い方をするならば、前輪にかかる負荷が変わってくるのです。

たとえば、自動車が停止しているときはステアリングを回すにはとても力が要りますが、走り出すとそうでもないですね。

この負荷をセンサで検知し、どのようにEPSを稼働させてステアリングの回転を補助するかは、ECUが決定しています。

EPS-ECUの仕事
EPS-ECUの仕事

ここにもいました。ECUです。ソフトウェアを開発しましょう。腕が鳴りますね。

仮想世界(HILS)の中心でステアリングを回すECU

EPSを制御するECUのソフトウェア開発、テスト、調整のフェーズでお役に立つのは、やっぱりHILS。「EPS HILS」です。

EPS HILSシステムにおいても、ステアリングやその回転に力を補助するモータやECUは本物を使用します。ただ、その先には車輪はなく、EPS HILSが接続されています。

EPS HILSは、自動車が走っている道路の質感、カーブ状況、走行スピードなどの設定から、車輪にどのような負荷がかかるかを計算し、その結果をECUに送り込みます。ECUはEPS HILSが作り出した仮想の世界で、どんな制御を行なうか、その挙動を試されることになります。

EPSHILSがシミュレートする世界
ECUはEPS HILSのシミュレーション世界へ

KGCが構築するHILSの場合、バーチャルメカニクス社の車両運動シミュレータ「CarSim®」と組み合わせることによって、車両や道路の状況を現実を元にシミュレートさせ、その中でEPS ECUを働かせます。テストの際は実際にドライバーがステアリングを握り、その手で反応を確かめながら、様々なシチュエーションでの挙動を体感することができます。

MATLAB/Simulinkモデルを取り込んだ高度なシミュレーションで、ECSの挙動にさらに磨きをかけてみませんか?

EPSのさらにその先へ

ステアリングの制御は、運転支援や自動運転とも関連してきます。

たとえば、ドライバーのステアリング操作によってセンターラインを越えてしまいそうになった際、車線維持支援システムが作動して自動車自身がステアリングを操作するケースが考えられます。このような判断を行なうECUのために、カメラや各種センサの情報をHILSに追加対応することも可能です。

そこで判断を行なうAI/MLについても、KGCの経験をお役に立てることができそうです。

どうぞ、KGCにご相談ください!

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お待ちしております!

※CarSimはMechanical Simulation Corporationの登録商標です。


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